あけましておめでとうございます。

まずは能登半島沖地震で被害を受けられた皆様へ、心よりお見舞い申し上げます。
この度の地震により、多くの方々が困難な状況に置かれていることを深く悲しく思います。自然災害の厳しさを痛感し、一日も早い復興をお祈りしております。

被災地の皆様のご無事と、復興が一日でも早く進むことを心よりお祈りしております。どうかお身体ご自愛ください。

 

今年も始まってすでに1か月が過ぎようとしていることに驚きを隠せません。

本年も株式会社大倉製作所をどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今月は弊社に通常在庫している材料について説明しようかと思います。
この材料があると知っててもらえると注文のときも便利かな!と、思いまして。

SUS304

SUS304 BA材について

“BA材”は、ステンレス鋼の表面仕上げを指す用語で、”BA”はBright Annealed(明るい焼きなまし)の略です。
BA材の特徴と主な用途について詳しく説明します

1.表面仕上げ特徴:

〇光沢と均一性: BA仕上げは非常に滑らかで均一な表面を提供し、高い光沢があります。この光沢は、鏡面仕上げよりも少し控えめで、上品な外観を与えます。

〇指紋が目立ちにくい: 表面が滑らかで均一であるため、指紋や汚れが目立ちにくいのが特徴です。

〇表面は非常に明るい: これは外観が重要な製品や装飾品に適しています。

2.使用例:

〇装飾品: 高級なキッチン用品、家庭用品、時計、ジュエリーなど。

〇食品加工機器: 食品製造や調理に使用される機器や部品。

〇精密機器: 医療機器、計測機器、光学機器など。

〇建築材料: 高級な建築用途で使用される鋼材、手すり、扉、窓枠など。

3.製造プロセス:

BA仕上げは、冷間圧延後に酸浴またはアルカリ浴による酸洗浄などのプロセスが組み合わさります。このプロセスにより、酸化被膜が取り除かれ、均一で光沢のある表面が形成されます。

注意点:BA仕上げは外観に優れていますが、耐食性は一般的な鋼材よりも劣ることがあります。したがって、耐食性が重要な場合は、他の仕上げや合金の検討が必要です。

BA材は高品質で美しい仕上げを提供するため、高級な製品や要求の厳しい用途で使用されます。

2B仕上げについて

1.表面上の特徴:

〇外観: 2B表面仕上げは、均一でややマットな外観を有しています。光沢は比較的控えめで、指紋や小さな傷が目立ちにくい特徴があります。
この外観は、視覚的に均一な表面が求められる場面で適しています。

〇冷間圧延後の仕上げ: 2B仕上げは、ステンレス鋼が冷間圧延された後に行われます。
冷間圧延は高温ではなく低温で行われ、材料が均一で滑らかな表面を持つようになります。

〇指紋の目立ちにくさ: 光沢が控えめなため、指紋や使用による細かい傷が目立ちにくいです。
これは、外観の美観を長期間にわたって維持するのに有利です。

2.使用例:

〇2B表面仕上げは、均一な外観が求められる製品や、指紋や傷が目立ちにくい特性が必要な用途に広く使用されます。

〇建築材料、機械部品、食品加工機器、装飾品などの製造に適しています。

3.製造プロセス:

〇冷間圧延: 初めに、ステンレス鋼は冷間圧延と呼ばれるプロセスで板状に成形されます。このプロセスにより、材料は均一で滑らかな表面を持つようになります。

〇酸洗浄: 冷間圧延後、材料は酸洗浄されます。これにより不純物や酸化物が取り除かれ、表面がきれいになります。

〇パスベルト研磨: その後、2B仕上げを得るためにパスベルト研磨が行われます。これは、細かい研磨粒子を用いて表面を均一に磨くプロセスです。

〇洗浄と仕上げ: 最後に、洗浄が行われ、仕上げが施されて最終的な外観を得ます。

      2B表面仕上げは、その外観の美しさと均一性から、様々な産業で利用されています。

      400番研磨仕上げについて

      1.表面仕上げの特徴:

      〇研磨粒子のサイズ: “400番研磨”は、研磨粒子のサイズを表します。この番号は、研磨紙や砥石の粒子サイズを示し、400番は中程度の細かさを意味します。この仕上げは、比較的滑らかで均一な表面を提供します。

      〇均一なマットな外観: 400番の研磨仕上げは、均一で少しマットな外観を持ちます。鏡面仕上げよりも光沢が控えめで、指紋が目立ちにくいという特徴があります。

      2.使用例:

      〇装飾品: 高級なキッチン用品、時計、ジュエリーなど。

      〇建築材料: 手すり、扉、窓枠など、外観が重要な建築部品。

      〇機械部品: 外観が重要であり、滑らかな表面が求められる機械部品。

      〇食品加工機器: 食品製造や調理に使用される機器や部品。

      3.製造プロセス:

      〇400番研磨仕上げは、研磨作業によって表面を均一化し、磨耗したり損傷したりした部分を取り除きます。このプロセスは、研磨機や手作業で行われることがあります。

      耐食性に関する注意:表面仕上げの段階によっては、微細な傷や凹凸が残る可能性があり、これが耐食性に一定の影響を与えることがあります。特に耐食性が重要な場合は、他の表面仕上げを検討する必要があります。

      400番研磨仕上げは、外観が重要でありながらも光沢が適度で、指紋が目立ちにくい特性を備えているため、さまざまな用途で利用されます。

       

      No.1仕上げについて

      熱間圧延 (Hot Rolled): “No.1″表面仕上げは、鋼材が高温で圧延され、その後冷却されるプロセスで生じます。
      このプロセスにより、鋼材表面には黒い酸化被膜が形成されます。この表面仕上げは、比較的粗い仕上げであり、外観が粗い質感を持っています。

      1.特徴:

      〇表面は黒っぽく、光沢は少ない。

      〇酸化被膜により、表面に黒い斑点や線が見られることがある。

      〇表面は比較的粗く、粗い質感を持つ。

      2.使用例:

      〇建築構造や製造プロセスで使用される構造部材、プレート、シートなど。

      〇一般的な鋼材製品や基本的な用途で使用される鋼材。

      “No.1″表面仕上げは、耐久性があり、比較的安価で製造できるため、一般的な建築や工業プロセスで使用されることがあります。
      ただし、外観が重要な場合や、耐食性が求められる場合は、より洗練された仕上げが選択されることがあります。

       

      鉄材

      SPCC: 商業用冷間圧延鋼について

      1.特徴:

      〇冷間圧延により製造され、均一で滑らかな表面を持つ。

      〇薄板として供給され、加工が容易。

      2.使用例:

      〇製造業、建築材料、機械部品など。

      注意点:耐食性が低いため、表面処理が必要な場合がある。

        SS400: 一般的な構造用鋼について

        1.特徴:

        〇低炭素鋼で、強度と耐久性があります。

        〇良好な加工性を持ち、溶接や成形が容易。

        2.使用例:

        〇建築構造、橋梁、自動車部品、造船など。

        注意点:屋外での使用には表面処理が必要であり、高温や極端な環境では利用が制限されることがある。

        SPHC-P: 深絞り性を重視した熱間圧延鋼について

        1.特徴:

        〇深絞り性があり、複雑な形状や深いくぼみを持つ部品に適しています。

        〇熱間圧延により柔軟性があります。

        2.使用例:

        〇自動車部品、家電製品、金属容器の製造に適しています。

        注意点:成形前の材料取り扱いには慎重さが必要です。

          これらの鋼材グレードは、それぞれの特性によって異なる用途に適しています。
          構造用途や一般的な加工性が求められる場合はSS400が、薄板や加工性が重要な場合はSPCCが、深絞り性が必要な場合はSPHC-Pが選ばれることがあります。

          ぜひ、納期などが気になる場合は通常在庫の材質かどうかもご確認いただけると、安心かと思います!

          ご参考にしてくださいね。

           

          <お知らせです>

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